あるがまま Kotaro Ogura
あるがまま
― そこには優しい揺らぎと僅かなさざめきがあった。 ―
Kotaro Ogura
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2025.9.27 Sat _ 10.13 Mon
Open Hour | 10:00 _ 18:00
Closed | Wednesday, Thursday
Online | 2025.10.10 Fri 21:00 _ 13 Mon 17:00
Kotaro Ogura|9.27 Sat
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夏の初めに公園に立っている楠が伐採されたと近所の方から聞きました。
しかし大きな幹の部分はすでに業者が持ち帰っており、残っていたのは直径15~20cmの太めの枝の部分だけでした。ストーブの薪にでもなればと思い持ち帰りましたが、その枝をトラックから降ろしている時、ふと木の「椀」をたくさん作ってみたいという気持ちが突然自分の中に起こりました。
僕にとってこの「椀」は、ひとつひとつの「椀」ではなく、元は1つの木の枝であったという総体の「椀」として存在しています。集まっても椀であるし、ひとつでも椀。作るものは椀である理由も必要もないのですが、その日、自分の心の声はこの木で「椀」を作りたいと言っていました。
今の僕にはそれ以上でもそれ以下でもない気がしています。
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大したものをつくりたいとは思わないという小倉さん。余計なことは考えずあるがままを見つめ、当たり前に起こる目の前のことだけに、心の声と向き合い手を動かす。そこに形として現れたものはこの世界に存在した一人の木工家としての証でもあるのだろう。